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『【求人募集】GIGAZINEのために働いてくれる記者・編集を募集します』を読んで思うこと。

先週、ADPのリリースを行ったので、ちょいと息抜きを。
GIGAZINEの求人募集が今の世相を反映していて面白いのでコメントしてみます。
 
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100802_gigazine_job/
「【求人募集】GIGAZINEのために働いてくれる記者・編集を募集します」
 
一言で言いますと今の従業員がダメダメなので、新しく募集するとのことです。何処でもダメな人はいるもので、私が14年程前に遭遇したダメな人A(2年目のエンジニア)は、
 
私:「じゃ、こうやって、こうやって・・・1週間ぐらいで出来るよね」
A:「私に残業しろってことですか!?」
私:「・・・・・」
 
それから一年後
私:「じゃ、これ、1週間ぐらいで出来るよね」
A:「私に休日出勤しろってことですか!?」
私:「・・・・・」
 
私は教育係としてAのめんどうを見ていたのですが、一連の発言を受けて、私はAをリリースしました。と同時に自分の教育者としての能力の無さに落ち込んだりしました。
 
また、記事にある、『できる者はますますできるようになり、できない者はますますできなくなっていく』の発言ですが、私も若かりし頃(同様に14年程前)に上司に以下のような質問を真面目にしました。
 
私:「なんで出来ない奴の給料と私の給料が同じなんや!」
上司:「お前、知らんのか?、昔から『出来る奴は全体の2割でそいつらがその他の8割の奴を食わしとる』と言われているんや」
私:「・・・(妙に納得)」
 
その頃の日本社会では出来る人も出来ない人も同じように給料を貰えるということであり、20年程前に『日本は世界で最も成功した社会主義国』という事を聞いた記憶もありました。
 
当時、労働者が自身の稼ぎ以上に給料を貰える社会にある種の矛盾を感じていて何時か破たんすると思っていたので、現在の日本経済の低迷ぶりはある種、自然の成り行きと受け取っていたりしてました。
ただ、こうリストラや派遣社員の雇い止が進み、そうやって切られたとおぼしき人がコンビニや清掃員として働いている様をみるともう少しなんとかならんかとも思ったりします。一方的な成果主義や企業の論理を労働者に押し付けるのも如何なものかとも思いだし、そのあたりのバランスが、まぁ難しいところです。
 
で、会社という組織にあてはめるとその判断の責任を担っているのが経営者ということになるのでしょう。記事にある、『払われた金の分だけしか働かない、働きたくない』ですが、人として自然な感情なので編集長のお怒りについてはごもっともですが、経営者としてはこのような考えを持つ従業員も受け入れないといけないことでしょう。
もちろん、『記事を書くのは面倒くさい、そもそもできれば書きたくない』というような仕事をしたくない人は辞めて頂くほかありません。のでこちらについては毅然とした対応を取らなければならないかと思います。
経営者としてはこのあたりの対応の違いを明確にしないと従業員になめられるかと思います。
 
偉そうに言いましたが、では私自身はどうしているのかと言いますと、私は人を雇うということはない、ということで私自身も答えを持ち合わせておりませんです。
 
とうことで今回はADPの宣伝はなしでした。
2010-08-02 | コメント:0件

とある顧客とのやりとり

 先週は、嫌なお客の話をしたので、今週は、もう一度ご一緒に仕事をしてみたいお客様の話をします。
そのお客さんは、とあるCEサイトを業者に作ってもらったのですが、残念ながらバグバグのシステムで大変不満を持たれていました。おりしも不況と重なって会社もリストラを始めたり、元々の担当者が止めたりで、新しく担当になった方は、業務は解るが、IT(WEBサイト)のことはよく知らないといった感じの人でした。色々不満もあったかと思いますが、そういったことは表に出さないで真面目にプロジェクトに取り組まれていました。
もっともITのことはあまり詳しくなかったので私が業者との交渉(バグの伝え方から、改修予算の値引き交渉やら、相手から来たメールの意図を翻訳したり)のサポートを行っていたました。

ただ、ECサイトによくあることですが、いかんせん売上が上がりませんでした。そういう中で次期開発の話が出てきたのですが、当然やりたいことにお金(予算、売り上げ)がついてこないので、そのギャップに担当者の方が悩んでいまして、ミーティングで愚痴を言われていました。そこで、思わず私が、
「今までの経験上、上手く行かないやり方を続けていてはダメになるばかりでっせ」
と言いました。

つまり、売上を上げていないのなら、無理に開発を進めるのではなく現行のシステムは修正にとどめたり、儲からないサービスやめたりするのも手ですよというある意味当然のことを言ったのですが、ただ、多くの日本人は『止める』という発想がなかなかできないようで、私も過去にこのようなことを言ってプロジェクトから外されたこともありました(本音を言ってくれてありがとうという人もいました)。

今回もこれは言い過ぎかなとも思ったのですが、この一言が担当者を救ったらしく、サービスメニューの構成を変えるように話しが進みました。以前なら『生意気なことを言うな』と言われるところだったのですが、平成不況も長くなると営業の現場の人もプライドを捨てて話をされるようになったようです。

その後、残念なことにやはり改修の規模が大きくなり、コストがかさむと同時にリストラが進み担当者もご勇退されプロジェクト自体が空中分解して、結局はそのECサイトはまったく改善をされずに閉鎖になりました。

私自身は営業的に失敗したプロジェクトをいくつも経験しているし僭越ながら自社のシステムを含めて成功しているプロジェクトも経験しているのですが、そのプロジェクトが終了したことは残念でした。もちろん予算がないプロジェクトだったので私自身もアドバイザーという形で週に1回しか打ち合わせに参加していなかったので、私のかかわり方として不完全燃焼な面もありました。
次回、その顧客と仕事をする機会があればぜひもっと良い結果を出せるように頑張りたいと思いました。

不況が長く続きますが、こういう難局を乗り越えるのもソフトウェアエンジニアというよりビジネスパーソンとして真価を問われていることだと思います。頑張りたいものです。
2010-07-01 | コメント:0件

ITエンジニアの労働環境は一般の人の20年先を行っている?

私は今でも顧客の元で仕事をしたりするので、この手の話題は避けたい面もあるのですが、たまには、ADP以外の記事を書いてみます。

私はかれこれ20年近くITエンジニアとして働いていますが、今ちまたで問題になっている以下の話題ですが、IT業界では昔からありました。
・鬱
・派遣切り
・モンスターカスタマー(パワハラ)

鬱は、昔からテクノストレスという言葉があり、私も十数年前にストレスに悩まされたことがありました。
今では結構気軽に鬱という言葉が使われますが、昔はそういった認識もあまりなく、ただひたすらいらいらする毎日でした。。。そういえばストレスチェッカーなるサイトをよくみていました。

派遣切りも昔からありました。もともとIT業界自体がはやくから派遣が可能だったというのもありますし、ソフトウェア開発プロジェクトは労働集約型になる為、プロジェクトが佳境に入ると人を集め、プロジェクトが終了すると人も減らすということが行われていので小規模ながら派遣切り(というかお役御免)ということが行われてきました。

モンスターカスタマーというかパワハラも昔からありました。私が受けたもので一番印象に残っているものですが、もう15年程前の話になりますが、風邪で休んでいるところを、無理やり出社させられて、
出社すると顧客の担当者は満足そうに笑みを浮かべており、
私がそのまま、イスに座ってボーといたら(風邪をひいているのでとうぜんなのですが)
『ぼさっとしないで、ちゃんと仕事をしろ!』
とお客の担当者に怒られ、そのままありがたい講釈を聞いたことです。
別にトラブルがあった訳でも、カットオーバー等のイベントがあったわけでもなかったので、今でもなんでこのようなことをされたのか理解に苦しみますが、まぁご自身の力を誇示したかったようです。
それ以降、幸いにして今現在に至るまで皆様良いお客様で感謝しております。

あと、35歳定年説というのもありました。35歳を過ぎるとITエンジニアとして価値がなくなるという都市伝説ですが、今これを転職市場に置きかえますと確かに35歳を超えると転職も難しと聞きます。

ということは現在ITエンジニアがおかれている労働環境は、20年後の日本の労働環境を占うことになるかと思いますが、ITエンジニアの皆様の労働環境は明るいでしょうか?、暗いでしょうか?
2010-06-24 | コメント:0件
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